試合をしているうちに、気がついたらあっという間に終わってしまって、自分がまだ試合に入り込めていなかったという経験はありませんか?
多くの人が、何度もそのような経験をしているはずです。事前にしっかり準備をしておくことで、どんな状況にも対応できるようになります。
初心者であれ経験者であれ、試合前後のルーティンをしっかり整えることで、パフォーマンスや回復に大きな違いが生まれます。
この記事では、次の試合に向けて最適な準備をするための重要な方法について詳しく説明します。
それがトーナメントでも、リーグ戦でも、絶対に勝ちたい友人との試合でも、事前にしっかり準備するに越したことはありません!
目次
試合前の準備: 必須の対策
リードアップ・ルーティンの重要性
試合に向けたルーティンを持つことで、コートに立つ際の準備が格段に整います。
プレーヤーのレベルに応じて、試合の数日前から準備を始める場合もあれば、試合当日のみの準備で済む場合もあります。
いずれにしても、心身ともに万全の状態で臨むことが重要です。
以下は、試合前に行うべき準備の一例です。
身体の準備
1. 水分補給
スポーツをする多くの大人は、実は脱水状態にあることが多いです。脱水は、疲労やパフォーマンス低下の原因となります。
試合の数日前から、特に暖かい気候に住んでいる場合は、適切な水分補給が重要です。
試合の数時間前には、少なくとも1~2杯の大きなグラスで水を飲み、体を予め水分で満たしておきましょう。
また、試合中に必要な水分を確保するため、十分な水を持参することも忘れずに。
大量の汗をかく場合は、電解質を補給するのも効果的です。
2. 栄養管理
競技に真剣に取り組む場合、栄養をきちんと管理することが大切です。
試合当日は、バナナやエナジーバーなどの軽食を持参し、試合の約30分前に食べて、すぐにエネルギーを得ると良いでしょう。
エナジージェルや軽食を試合中に摂取することで、エネルギーレベルを維持できます。
3. アクティブリカバリー
複数の試合の間が空いている場合は、質の高いアクティブリカバリーを行いましょう。軽いトレーニングや軽い打ち込み、ストレッチをすることで、体の回復を促進します。
もし初戦に向けての準備中であれば、トレーニングは軽めにして、体力を使い果たさないように気をつけましょう。
メンタルの準備
1. 戦略
試合前に自分のゲームプランや戦術を再確認しましょう。自分の強みをどう活かせるかを考えることが大切です。
明確な戦略を持つことで、試合を有利に進める道筋が見えてきます。
もし対戦相手の弱点が事前に分かっているなら、それを利用するための戦術を考えておきましょう。
2. イメージトレーニング
数分間、成功したショットや試合のシナリオを頭の中でイメージしてみましょう。
計画した戦略を使い、サーブやグラウンドストローク、ボレーなどをうまく決める自分を想像します。
イメージトレーニングは、自信を高め、試合への準備を整えるのに役立ちます。
また、うまくいかない場合の対処法も事前に考えておくと良いでしょう。
3. ギアの準備
コートに到着してから、重要なものを忘れたと気づくのは最悪です。持ち物は多すぎるくらいが丁度良いと考えましょう。
自分が一番快適に感じる服装やシューズを持参し、ラケット、グリップ、その他必要なものを十分に用意しておくことが大切です。
これにより、試合当日にリラックスして臨むことができます。
試合前のルーティン
適切なウォームアップの重要性
試合直前のウォームアップは、ケガの予防に非常に重要であり、筋肉の弾力性や関節の可動域を高め、捻挫や筋肉の負傷を防ぎます。
心拍数と血流を徐々に上げることで、試合の肉体的な負担に備え、ケガのリスクを最小限に抑えることができます。
試合前のウォームアップは、身体的な準備だけでなく、メンタル面でも大切です。
しっかりとしたウォームアップルーティンは、リラックスした状態から競技モードへの移行を助け、集中力を高めます。
このメンタル準備は、試合中の迅速な判断や集中力の維持において非常に重要です。
1. 動的ストレッチ
ダイナミックストレッチから始めて、筋肉を温め、すぐに動ける状態にしましょう。
脚のスイング、腕の回転、胴体のツイストなどを取り入れ、血流を促進し、柔軟性を高めます。
2. シャドースイング
テニスに特化したドリルとして、シャドースイングやフットワークドリルを行いましょう。
ストロークや動きを練習します。
試合前にコートが使えない場合、これは素晴らしいウォームアップ方法です。
また、TopspinPro(トップスピンプロ)を使ってウォームアップするのも効果的です。
3. ミニテニス
試合前にコートを使える場合は、パートナーと一緒にサービスラインでミニテニスを始めましょう。
これにより、ボールやコートの感覚をつかみながら、ストロークも温めることができます。
試合中
試合が始まったら、これまでの準備を最大限に活かしてプレーしましょう。
身体的な面
1. リラックスを保つ
ポイント間には、軽いジョギングやウォーキングなどのアクティブリカバリーを取り入れて、筋肉を温かく保ち、硬直を防ぎましょう。
必要であれば、サイドチェンジの際にストレッチを行ってください。
2. ルーティン
サーブやリターン前のルーティンを確立し、リラックスした状態を維持しましょう。
たとえば、決まった回数ボールを弾ませたり、リターンに備えて足を軽く弾ませるなどの動作が効果的です。
メンタル面
自分の戦略に従い、必要に応じて調整しましょう。もし思うようにいかない場合は、バックアッププランを活用してください。
感情に流されず、冷静に論理的に考えることが大切です。
1. ポジティブな姿勢を保つ
試合中は常に前向きな姿勢を維持しましょう。ミスを引きずらずに、次のポイントに集中してください。
1ポイントずつ勝つ方法を見つけましょう。試合中は勢いが行ったり来たりすることを忘れずに。
2. 呼吸法
深呼吸を実践して、落ち着きを保ち、不安を軽減しましょう。
鼻からゆっくり深く息を吸い込み、数秒間止めてから、口からゆっくり吐き出します。各ポイントの開始前にこれを行うと、気持ちを整え準備が整います。
試合後
適切なクールダウンの重要性
クールダウンは、筋肉に乳酸が蓄積するのを防ぎ、筋肉疲労や痛みを軽減することで、今後の活動中のケガのリスクを減らします。
適切なクールダウンを行うことで、心拍数を徐々に下げ、筋肉の回復を促進します。
このプロセスにより、筋肉の硬直や痛みを防ぎ、次の練習や試合に向けてスムーズに準備が整えられます。
身体的ケア
1. 軽いジョギングやウォーキング
軽いジョギングやウォーキングを5〜10分行い、心拍数を徐々に下げましょう。
コートを離れる際にすでにクールダウンしている場合でも、ストレッチの前に筋肉を温めて硬直を防ぐために効果的です。
2. 静的ストレッチ
静的ストレッチでクールダウンすることで、柔軟性を維持・向上させます。
主要な筋肉群をすべて伸ばし、各ストレッチを15〜30秒間キープしましょう。
特に、ハムストリング、大腿四頭筋、ふくらはぎ、肩など、硬くなりやすい部位に集中してください。
3. フォームローラー/マッサージガン
フォームローラーやマッサージガンを使用して、筋肉の緊張を解きほぐしましょう。
特に、張りや痛みを感じる部位に対して、優しく圧力をかけて行います。
4. 再度の水分補給と栄養補給
試合前と同様に、適切な水分補給と栄養摂取が重要です。
水や電解質飲料をたっぷり飲んで水分を補給し、タンパク質と炭水化物を含む軽食を摂取して、筋肉の回復を助けましょう。
メンタルケア
1. 分析
最善を尽くしても負けた場合、その日は相手が自分よりも優れていたということです。
試合でうまくいった点をポジティブに捉え、それを基にトレーニングの計画を立てましょう。自分のミスから学び、改善を図ります。
勝利した場合でも、何がうまくいき、何がうまくいかなかったかを分析することが大切です。
勝った時こそ見落とされがちですが、勝敗にかかわらず、改善の余地は常にあります。
2. 計画
試合の分析が終わったら、次の試合や次のトレーニングセッションに向けた計画を立てましょう。
試合によって得られる情報の量は異なりますが、どんな試合からも何かを学び取るように心がけてください。
まとめ
適切な準備は、テニスコートでのパフォーマンスを最大化し、楽しむために欠かせません。
包括的なウォームアップとクールダウンのルーティンを取り入れ、心身を整えるためのテクニックを活用することで、ゲームの質を向上させ、ケガのリスクを減らすことができます。
大切なのは、一貫性を持つことです。これらの習慣を定期的に実践することで、より良い結果が得られるでしょう。

筆者名:ゾーイ・ジェフリー
TOPSPINPRO 常任コーチ
イギリスとアメリカで17年間テニスコーチとして活動
【資格】
テニス専門のの学士号、USPTAエリートプロ、PTRプロ、LTAレベル4、PPRピクルボールプロ