ピックルボールでのリターン・オブ・サーブをマスターする: ヒントとテクニック

ピックルボールにおいて、リターン・オブ・サーブはポイントを支配するための最初のチャンスです。
シングルスでもダブルスでも、この重要なショットがラリーの展開を決定づけます。リターンをマスターすることで、ゲーム全体のダイナミクスに大きな影響を与えることができます。
以下では、シングルスとダブルスの両方に対応した戦略を解説し、リターン・オブ・サーブをあなたのピックルボールの強力な武器にするためのヒントを紹介します。

効果的なリターンの打ち方

1. 深いリターンを狙う
相手をコートの奥深くに押し返すことで、あなたに次のショットのためのポジションを取る時間を稼ぎ、相手の攻撃を防ぐことができます。
相手の3球目を難しくすることが目的です。相手を深く下げ、前に踏み込んで攻撃されないようにすれば、次のショットを有利な形で打てるでしょう。

2. リターンにバリエーションを持たせる
ショットの高さ、スピン、方向を変えて、相手に予測させないようにしましょう。
毎回同じ種類のリターンを打っていると、相手が3球目のショットにリズムをつかみやすくなります。リターンを変化させ、相手のリズムを崩すことが重要です。

3. 相手の弱点を狙う
相手のバックハンドのような、支配力が弱い側を狙って、コントロールと精度を試しましょう。
相手がスライスや強いトップスピンを苦手にしているかもしれませんし、ボールへの動きが遅いかもしれません。
ウォームアップ中に、こうした弱点を見つけるチャンスがあるので、何か明らかな欠点がないか観察しましょう。

ダブルスにおけるリターン・オブ・サーブ

ダブルスでは、リターンをするチームが最初からキッチンラインに1人の選手を配置できるという大きな利点があります。
二度バウンドルールのおかげで、リターンをした後すぐに前衛がネット近くに移動し、強力なポジションを取ることができます。
一方、サーブ側は最初は後ろに控える必要があるため、この優位を保つためには効果的なリターンが鍵となります。
ここでは、このアドバンテージを活かすための戦略を見ていきましょう。

1. 高さを利用する
深さだけでなく、高さも時間を稼ぐ手段となります。
ボールに少し高さを加えることで、キッチンラインに到達するための余裕が生まれます。
また、時折高いリターンを使うことで、相手に簡単な3球目ショットを与えにくくなります。
ただし、短く高いリターンは相手に簡単に攻撃される可能性があるので、気をつけましょう。

2. コートの中央を使う
多くの選手はリターンを相手のどちらかに打つことを忘れがちですが、コートの中央にリターンを送るのは効果的な戦略です。
相手はどちらがボールを取るべきか迷うことがあり、これが相手の混乱を引き起こします。
この戦略は、次のショットで相手の攻撃の選択肢を減らすことにもつながります。
さらに、中央を狙うとターゲットエリアが広がり、成功する可能性が高まります。

3. コミュニケーションを取る
事前にどこにリターンを打つかをパートナーに伝えることで、効果的な連携が可能になります。
戦略についてお互いに話し合い、パートナーと一緒にリターンのリズムと相性を練習しておきましょう。
お互いを補完するリターンゲームを構築することが重要です。

シングルスにおけるリターン・オブ・サーブ

シングルスピックルボールでは、リターン・オブ・サーブが攻撃に転じる重要なポイントです。
二度バウンドルールは同じですが、シングルスでは自分一人で広いコートをカバーする必要があるため、リターンをより慎重に選ぶ必要があります。以下はシングルスでの戦略です。

1. スペースを活用する
リターンはコートの隅を狙い、相手が広い範囲をカバーするようにしましょう。
これにより、相手の機動力を試すことができ、ミスや弱いリターンを引き出す可能性が高まります。
特に相手の弱いサイドを狙うと効果的です。また、相手が疲れている場合は、さらに動かすことで有利に立てます。

2. 角度を意識する
コートの隅を攻めて相手を動かすのは良い戦略ですが、角度を使えば使うほど、相手にも角度のついた3球目ショットを返されるリスクが高まります。
コートカバーが得意でない場合や、自分が疲れていて数ポイント回復したい場合は、ボールをより中央に打ち、安定性と深さを重視しましょう。
また、相手に簡単なパッシングショットを打たせないよう、スペースに打つタイミングと中央に深く打つタイミングを使い分けることが大切です。

3. 後ろにとどまる
必要であれば、後ろにとどまりましょう。ダブルスより相手を走らせるスペースは大きいですが、悪いリターンをしてしまうと逆効果になることもあります。
相手が簡単にパッシングショットを打てる状況で、ネットに向かって進むのは危険です。
迷ったときは、後ろにとどまり、ラリーに戻ることを優先しましょう。

リターン・オブ・サーブのフットワーク

1. 準備姿勢を取る
運動的な準備姿勢を保ち、体重を足の前方にかけましょう。すぐに反応し、素早くポジションを変更できるようにしておくことが大切です。

2. 速い足の動き
多くのプレーヤーはキッチンに向かうのが遅すぎて不利になることがあります。
前に進むと決めたら、迅速に動くことが重要です。速く動けば動くほど、相手の3球目ショットを難しくすることができます。
リターンに集中しすぎて足の動きが遅くなるのはよくある問題なので注意しましょう。

リターン・オブ・サーブの練習方法

パートナーがいない場合、ボールマシンを使うのが最良の代替手段です。多くの地元クラブや施設には、1時間単位でレンタルできるボールマシンがあります。

また、地元のコーチとのレッスンに投資することも検討してください。
コーチはさまざまな種類のサーブを紹介してくれ、練習の質を向上させることができます。
試合で遭遇する可能性のあるサーブを理解することは非常に重要です。
異なるスタイルのサーブに対応できることは、ゲームでの強力な武器となります。
サーブに特化したさらに詳しいヒントについては、私たちの記事「ピックルボールのサーブを使って攻撃する方法」をご覧ください。

リターン・オブ・サーブのドリル

1. 深さの練習
コートの奥深くにリターンを打つことに集中しましょう。コートの後方にコーンやマーカーを設置して目標を設定します。
フォアハンドとバックハンド両方で練習し、どのショットでも一貫して深いリターンを打てるようにすることが目標です。

2. スピンの練習
リターンにスピンを加える練習をしましょう。トップスピンを使って、リターンに高さと深さを持たせます。
トップスピンスキルを最大化するために、TopspinProを使用するのも効果的です。詳細は「トップスピン101ガイド」を参考にしてください。
また、スライスを使ってボールを低く押さえ、相手から遠ざけるようにしましょう。

3. 方向の練習
リターンを特定のコートエリアに狙う練習をしましょう。
シングルスとダブルスの両方で、異なるコートエリアに自信を持って打ち分けられることが重要です。
目標に向かって誤差を最小限に抑えながら打つ練習を繰り返しましょう。
シングルスでは正確さが鍵となり、的確に狙いを定め続けることがポイントを取るか失うかの違いを生みます。

4. 試合形式の練習
サーバーがプレッシャーをかけてくる試合形式をシミュレーションしましょう。これにより、反応速度や適応力が向上し、シングルスやダブルスの試合で非常に重要なスキルが鍛えられます。

まとめ

リターン・オブ・サーブの戦略をシングルスとダブルスそれぞれの特性に合わせて調整することで、全体的なパフォーマンスが大幅に向上します。
深さ正確さ、そして適応力を活かすことで、リターンを戦略的な武器に変えることができます。
練習と忍耐を重ねることで、これらの要素をマスターし、自信がつくと同時に、ゲームのレベルも一段と引き上げられるでしょう。

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筆者名ゾーイ・ジェフリー
TOPSPINPRO 常任コーチ
イギリスとアメリカで17年間テニスコーチとして活動
資格
テニス専門のの学士号、USPTAエリートプロ、PTRプロ、LTAレベル4、PPRピクルボールプロ