優雅な片手バックハンドのフェデラーと、絶えず強力な両手バックハンドのナダルどちらになりたいですか?
多くの人は、好きなプレイヤーの試合を見ることから、自分の好きなプレイスタイルを見つけています。
でも、果たしてどちらが一番いいのか、そして自身にとって最適なのはどちらなのでしょうか?
簡単に言えば、「どちらも」です。
それぞれ独自のメリットがあります。
最適な方を選ぶのは、難しい選択かもしれません。
片手バックハンドと両手バックハンド、それぞれの長所と短所をいくつか紹介します。
目次
両手バックハンドのメリット
覚えやすい
ラケットの面を安定させることや、スイング全体を強く保つためには、両手を使った方が簡単です。
これが一般的に、子供でも大人でも初心者に両手打ちのバックハンドを教える理由です。
また、スイングの形状やフィニッシュ位置がフォアハンドと非常に似ているため、同じ技術を使うことができます。
より強力に
両手でラケットを握ると力を出しやすくなります。
両腕を使うことで、体全体が一つになって動きます。
それにより、胴体や大きな筋肉群が働き、さらにパワーが追加されます。
片手プレイヤーによくある間違いは、腕が孤立しており、体をほとんど使わないことです。
その結果、スピードを生み出すために腕と肩だけに頼ってしまいます。
調整がしやすい
両手打ちバックハンドのコンタクトポイントは体に少し近いため、反応や微調整の時間が少し長く取れます。
また、両手を使うことで打つ瞬間のラケットが非常に安定し、ボールが速い速度で飛んでくる場合でも簡単にブロックすることが可能になります。
両手バックハンドのデメリット
高いボールへの対応が難しい
両手打ちバックハンドでは、スペースやリーチ(ボールに届く範囲)が少し狭くなるため、高いボールに対応するのが難しくなります。
多くの場合は、ボールが普段より高く飛んできた時には、片手を使ってブロックするかスライスすることが多いです。
スライスの変化を見破られやすい
スライスへの切り替えを相手に悟られないようにするのは、両手打ちバックハンドでは片手打ちよりも一層難しいです。
両手打ちでは、スライスの準備のために、グリップを離し、手の位置を変える必要があります。
この動作は少し時間がかかるので、対戦相手に動きが見えてしまいます。
リーチが短い
両手でラケットを握ると、片手だけの場合と比べてリーチが短くなります。
特に、ベースラインから離れたボールに対応するのが大変になります。
移動範囲が狭いプレイヤーや怪我などを抱えるプレイヤーは、片手打ちを選ぶことが多いです。
片手バックハンドのメリット
攻撃的な打球ポイント
片手打ちでは、打点が両手打ちよりも少し前方になります。
これにより、タイミングを取るのは少し難しく、プレッシャーも増しますが、攻撃的なプレイにとっては利点となります。
高いボールに対応する能力があるため、それを早い打点と組み合わせることで、相手を後手に追い込むことができます。
さまざまな角度で打てる
片手打ちのバックハンドは、フォアハンドと同じように手首が自由に動きます。
これにより、トップスピンをかけることや、ラケットをボールの周囲に回転させることが簡単になります。
そのため、急な角度からのショットが自然と生まれます。
エネルギー消費が少ない
グラウンドストローク(ボールが地面に跳ねた後に打つストローク)は大きなエネルギーと大きな筋肉群の使用を必要とします。
両手でなく片手を使うことで、エネルギーの消費量を大幅に減らすことができます。
唯一の欠点は、全ての腕を使用するため、プレイヤーにとっては、使い過ぎによる怪我を引き起こす可能性があるということです。
片手バックハンドのデメリット
タイミングが大切
片手打ちでは打点が少し前方になるため、時々ボールに対する反応が遅くなることがあります。
また、ボールに対するタイミングが遅れると、調整するのも少し難しくなります。
しっかりとした片手打ちを行うには、足の動きとタイミングが大切です。
バランスを保つための強い体幹
ボールへの接触点が体に対してどの位置にあるか、そして片手で打つという動きは、一連のショット全体でバランスを保つためには強い体幹が必要となります。
パワーが必要
当然ながら、二つの腕を使う方が一つの腕よりも力強く打つことができます。
それゆえ、両手打ちバックハンドと同じ強さで打つことは、片手打ちでは難しくなります。
ただし、ボールを早く捉えて、ボールの速度を利用することで、この点は補うことができます。
まとめ
片手打ちバックハンドと両手打ちバックハンド、どちらが正しいとか間違いというものはありません。
その証拠に、世界のトッププレーヤーたちは両方を使い分けています。
あなた自身が体力的、技術的にどちらが合っているかを選んでください。
すでにテニスを経験しているなら、今のスタイルを続けつつ、それを改良していくことが良いかもしれません。
もし打ち方を変更することにしたなら、TopspinPro(トップスピンを打つ練習ツール)がリピート練習にとても役立ちます。
筋肉が動きを覚えることが重要で、そのためには繰り返しの練習が必要です。
最も大切なことは、自分自身にとって自然なスタイル、そしてコート上で快適にプレーできるスタイルを選ぶことです。
筆者名:ゾーイ・ジェフリー
TOPSPINPRO 常任コーチ
イギリスとアメリカで17年間テニスコーチとして活動
【資格】
テニス専門のの学士号、USPTAエリートプロ、PTRプロ、LTAレベル4、PPRピクルボールプロ