テニスは最も難しいスポーツですか?

テニスは最も難しいスポーツなのでしょうか?

この質問はよく出てきます。

なぜテニスはそんなにも難しいとされるのか、そして、テニスがなぜこんなに難しく、何がそれを厳しい挑戦としているのでしょうか?

テニスは最も難しいスポーツなのか?

スポーツ専門チャンネルのESPNが調査を行い、耐久力や速さ、力などいろいろな要素を考えた結果、テニスは最も厳しいスポーツの7位にランクインされました。

ESPNが発表したトップ60のスポーツのリストもあり、そこでは各スポーツがどれだけ厳しいかの詳細な説明もされています。

この結果に、あなたは賛成ですか?

テニスの難しさを考えるときに、他にも重要だと思われるいくつかの要素を加味したいと考えています。

以下に、そのような要素をいくつか挙げます。

1. 学習

テニスのコーチとしてもプレーヤーとしても経験がある私から言わせれば、テニスはとても習得が難しいスポーツです。

確かに、友達とちょっとしたラリーをするだけならそんなに難しくありません。

しかし、サーブやボールの正確な配置、スピンを加えるなど、高度なテクニックを身につけるには大変です。

中級レベルでプレーできるようになるためには、少なくとも2〜5年はしっかり練習しないといけません。

そして、大学レベルやプロになるためには、何万時間もの練習と献身が必要です。

 2. 失敗とどう向き合うか

テニスはミスが多いゲームです。

試合で得点する場面や失点する場面のほとんどは、成功したプレーではなく失敗によるものです。

練習していても、ミスが多いのは普通です。

このような厳しい状況でも頑張り続けることが、特に初心者が続けられるかどうかの分かれ道です。

失敗を受け入れて乗り越えるスキルは、テニスプレーヤーには欠かせません。

チームスポーツだと、プレッシャーは分散されやすく、感情的にも楽ですが、テニスはそうはいきません。

3. 収入

トップ選手の暮らしは豪華で、世界中のいい場所でテニスをして暮らすのは魅力的ですよね。

でも、テレビで見るのはその一握りの選手だけ。

実際には、トップ100に入らない98%の選手は生計を立てるのが大変で、飛行機のチケットや旅費にクレジットカードを使ってしまいます。

ランクが低い選手は、大会に出るためにホテルの部屋をシェアしたり、友達のソファで寝ることも。

フルタイムのコーチやトレーナーを雇うお金もありません。

対照的に、サッカーやアメリカンフットボールなどのスポーツでは、トップ500選手はだいたいお金持ちです!

4. 体力づくり

テニスで必要な体力は、シングルスかダブルスか、また自分のプレースタイルによってかなり違います。

たとえば、初心者レベルのダブルスなら、暑い中で5時間も続くシングルスの試合と同じような体力はいりません。

でも、サッカーやバスケみたいな他のスポーツは、どのレベルでもしっかりとした体力が必要です。

プロのテニスプレーヤーになるには、高いレベルの体力が絶対に必要です。

特にテニスで大事な体力のポイントはいくつかあります。

持久力
プロテニスでは、長時間も高いパフォーマンスを維持できることが大事です。試合時間はバラバラだけど、接戦になった時でも最後まで頑張れる力が成功のカギです。

筋力とパワー
他のスポーツほど必須ではありませんが、ラケットを速く振ったり、コートを素早く動き回るためには必要です。

敏捷性
テニスコートはそんなに広いわけではないので、プロレベルではボールごとに素早く方向を変える能力が求められます。たとえば10メートルでの速さでは、アンディ・マレーやノバク・ジョコビッチのような選手は、世界の短距離走者にも負けない速さがあります。

5. 協調性

協調性と技術はちょっと似ています。

もし協調性があれば、正確なテクニックの動きを覚えるのは簡単です。

しかし、協調性はただ技術を身につけるだけでなく、ボールがどう飛んでくるか、どう飛ばすかをしっかりと読んだり、その読みに合わせて体を動かしたりするのにも必要です。

そして、それだけじゃなくて、ボールに合わせてタイミングよくスイングをする時も、スピードやスピンをうまくコントロールしながら、全体をうまく調整する力も必要です。

6. テクニックについて

ボールとの接触点
テニスでは、ボールとどう接触するかが非常に多様です。これはゴルフなど他のスポーツとは違います。テニスでは、打つたびに状況が違います。自分の場所や、来るボールの速度や回転、さらには天気や対戦相手の特性(身長や体力など)まで、多くの変数が影響を与えます。これらに柔軟に対応できる能力が、優れたテニスプレーヤーである証拠です。

必要なスキル
テニスには多くの種類のスキルが求められます。基本的なショットだけでなく、スライスやネットプレーなども含めて、全てがうまくできないとトッププレーヤーにはなれません。そのためには、何千時間もの専門的な練習が必要です。さらに、これらのスキルをマスターした後でも、ボールに対して何をしたいかによって、そのスピードや回転、高さ、距離、方向などを調整する技術が必要です!

7. メンタルの強さ

テニスで成功するためには、心の強さが不可欠です。

試合中には状況が急に変わることも多く、失敗を乗り越えなければならない瞬間もたくさんあります。

ほとんどの試合は感情が高ぶる場面が多く、困難な状況にどう対処するかがカギとなります。

テニスは時として不公平なゲームですが、そのような状況でも感情に支配されず、しっかりと自分をコントロールする能力があれば、そのエネルギーを他の重要な部分に集中できます。

また、厳しい状況でも精神的に耐え抜く力は、試合で成功するために非常に重要です。

このテーマを深く掘り下げたい方は、私たちのブログ「テニスから学ぶ10の人生の教訓」をお読みください。

8. コートの種類について

他のスポーツとは違い、テニスにはいくつかの異なるコートがあります。

プロのテニスでは、主に芝、クレー、ハードコートの3種類のコートで試合が行われます。それぞれのコートでボールの速度や跳ね方が変わるので、プレーヤーはそれに慣れなければなりません。

さらに、コートの種類によっては気候や環境の違いもあるので、その点も考慮する必要があります。

9. 分析力の重要性

ESPNもこの能力を「分析力」と名付けています。

テニスで成功するには、自分の得意な点や弱点をしっかり把握するだけでなく、相手の弱点を見抜き、それを狙う能力が必要です。

テニスの試合では状況が次々に変わるので、1ポイントごとにしっかりと戦術を考え、相手より一枚上手になる工夫が求められます。

そして大抵の場合、このような分析や戦術の考慮は、自分一人か、ダブルスならばパートナーと二人で行わなくてはなりません。

他のチームメンバーやコーチが途中で助言をくれるわけではありません。

まとめ

スポーツを比べる一番いい方法は、同じカテゴリー(例:ラケットスポーツ)に分けて考えることだと思います。

例えば、アイスホッケーとテニスを比較するのは、ほとんど共通点がないため、ちょっと無理があるように思います。

スポーツファンやプレイヤーは、自分が好きなスポーツが一番難しいと感じるのは当然です。

テニスほど難しいと思うスポーツはありますか?

何か大事なポイントを見落としていると思いますか?

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筆者名ゾーイ・ジェフリー
TOPSPINPRO 常任コーチ
イギリスとアメリカで17年間テニスコーチとして活動
資格
テニス専門のの学士号、USPTAエリートプロ、PTRプロ、LTAレベル4、PPRピクルボールプロ